【種別】拒絶査定不服の審決
【審決日】平成6年1月21日
【事案】
下記の構成よりなル商標を、(旧)第17類「被服(運動用特殊被服を除く),布製身回品(他の類に属するものを除く),寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、出願され、きわめて簡単でありふれた商標であるとして拒絶されたため、不服を申し立てたものです。

【拒絶理由】
「この商標登録出願に係る商標は、ありふれた縦長楕円輪郭に商品の品番、等級を表示する符号、記号等として一般に使用されているアルファベットの1文字を『F』と普通に用いられる方法でもって書してなるものであるから、きわめて簡単でかつありふれた標章のみからなる商標と認める。
したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。」
【審決における判断】
そこで判断するに、本願商標の構成は上記したとおりであるところ、ローマ字の1字もしくは2字は、商品の種別、規格、型式等を表示する記号、符号として取引上一般に使用されているところであり、また、縦長楕円形の輪郭も普通に用いられているものであって、ありふれた輪郭図形といえるものである。
そして、本願商標中のローマ文字「F」は、横線を縦線よりも細く描き、セリフ(Serif:アルファベット活字のひげ飾り)を施した態様で表されているが、このような態様でローマ字を描くことは一般に行われているところであるといえるから、該文字は普通に用いられる態様で表されているものであつて、図案化された特異な図形よりなるものとはいい難いものである。
そうとすれば、本願商標は、普通に用いられる縦長楕円輪郭内に、商品の記号、符号の1類型とみられるローマ文字1字の「F」を普通に用いられる態様で表してなるにすぎないものであって、全体としても、特殊な態様からなるものとはいうことができない。
してみれば、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第5号の規定に該当し、これを登録することができない。
なお、請求人は過去の審決例を示し、本願商標の登録の可否の審理に際し、これらの審決例と整合性をもって審理されるべきであると主張しているが、これらの審決例は本願と事実を異にするものであるから、この主張は採用することができない。