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小売等役務商標制度の施行日と経過措置

小売等役務の商標権に対抗できる継続的使用権について
小売等役務商標制度は、平成19年4月1日より施行されます。
改正法施行前の取引秩序を維持するため、改正法施行前から日本国内で不正競争の目的でなく小売等役務について使用されている商標は、他人が同一又は類似の小売等役務を指定役務とする同一又は類似の商標について商標権を取得した場合でも、施行の際にその業務を行っている範囲内において、本改正法施行後も継続してその商標の使用をできる権利(継続的使用権)を認めることとしました。

さらに、本改正法施行の際にその商標が需要者の間に広く認識されている場合は、施行の際に行っている業務の範囲に限定されることなく、その商標を継続して使用できることとしました。

ただし、商品に係る商標権や小売等役務以外の役務に係る商標権に対しては、継続的使用権は認められていません。
この継続的使用権は、あくまでも小売等役務の商標権を取得した者にのみ対抗できるものです。

また、継続的使用権を有する者の業務に係る役務と自己の業務に係る役務との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを継続的使用権を有する者に対して請求できることとされました。

先後願の審査に関する特例の経過措置
平成19年4月1日から6月30日までの3月間(特例期間)に出願された小売等役務を指定役務とする出願(特例小売商標登録出願)の審査については、先後願の審査に関する特例が設けられています。

特例小売商標登録出願については、小売等役務について使用する商標が、類似商標として先に出願されているときは、これを引用商標として先に出願された商標のみを登録する規定を適用しません。

特例期間内に、同一又は類似の小売等役務について使用をする、2以上の同一・類似の特例小売商標登録出願が競合しているときは、特例小売商標登録出願が同日出願とみなされます。
そのため、特例小売商標登録出願同士が競合する場合には、協議命令並びに拒絶理由が通知されます。

特例小売商標登録出願について、商品について使用をする商標又は小売等役務以外の役務について使用する商標が、類似商標として先に出願されているときは、これを引用商標として出願日を基準に先後願を判断し、先に出願された商標のみを登録する規定を適用します。

なお、小売等役務以外の商標については、特例期間内であっても、小売等役務について使用する商標を引用商標とする場合を含め、通常通りに出願日を基準に先後願を判断し、先に出願された商標のみを登録する規定を適用します。

使用に基づく特例の適用についての経過措置
改正法施行前より使用された結果、その使用によって蓄積された業務上の信用や既存の取引秩序を維持するためには、継続的使用を認めるばかりでなく、その商標を出願した場合には未使用の商標に優先して商標登録する必要性があります。

特例期間中に出願された小売等役務を指定役務とする出願同士が競合する場合は、出願人は、その出願した商標が改正法の施行前から日本国内で不正競争の目的でなく自己の業務に係る小売等役務について使用している商標について商標登録を受けようとするものであるときは、使用に基づく特例の適用を主張することができます。
この主張は、2以上の同一・類似の特例小売商標登録出願が競合して、協議が命じられた指定期間内に行うものです。
使用に基づく特例の適用が認められる特例小売商標登録出願は、特例の適用を受けない出願に優先して商標登録を受けることができます。

特例が認められる出願が複数ある場合は、他人の周知・著名商標と抵触しない等の他の登録要件を満たせば双方とも登録されます(重複登録)。

さらに、同一又は類似の関係にある周知な小売等役務に係る商標が複数併存している場合には、その使用特例商標登録出願については、他人の周知商標と同一又は類似の関係にあったとしても、これを理由として登録を拒絶されません。
ただし、当該他人の周知商標の方が著名と認められ、出所の混同を生ずるおそれがあるときは、商標登録を受けることができません。

(ⅰ) 混同防止表示請求
重複登録の他方の商標権者等の登録商標の使用により業務上の利益が害されるおそれがある場合、商標権者等は、混同防止表示を付すべきことを請求できます。
(ⅱ) 取消審判の特例
重複登録に係る商標権者が、不正競争の目的で自己の登録商標の使用をして、重複登録の他方の商標権者等との間で混同を生じさせた場合、誰でも、商標登録の取消審判の請求ができます。

使用に基づく特例の適用を主張するための手続
協議命令の指定期間内に、使用に基づく特例の適用を主張するために、下記を証明するための証明書類を提出しなければなりません。

(1)出願に係る商標が使用されていること。
(2)出願に係る商標が平成19年3月31日以前から使用されていること。
(3)出願に係る商標が日本国内において使用されていること。
(4)出願に係る商標が小売等役務について使用されていること。
(5)出願において指定した小売等役務が(4)の小売等役務であること。
(6)商標の使用が出願人によるものであること。

使用に基づく特例の適用を認めないとの心証を得た場合には、出願人に反論の機会を与え、出願人の反論をもってしても審査官の心証が変わらないときは、くじの実施の通知または拒絶査定となります。

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