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小売業の商標登録とは

商標には、商品名、サービス名などのブランド名や、ネーミング以外でもロゴデザインなどの商標があり、店舗名、チェーン店名、フランチャイズ名などの店名や、インターネットショップ、ウェブサイトの店名などがあり、これらは通常は商標として使用されているものです。
商標登録は、文字のみ、図形のみ、文字+図形など、様々なものを登録することができます。
商標として使用する店舗名、サイト名などは、もちろん商標登録をすることができる商標です。

商標調査をしないで店名やサイト名を決定すると?
商標は、商品やサービスを識別するための識別標識、営業標識です。
店舗名は、商品やサービスのブランド名として使用しているときのほか、ブランド名ではないものの、商品やサービスの識別標識として表示することが多いものです。
ドメイン名は、それだけではインターネット上の所在を示すアドレスにすぎませんが、これをサイト名としても使用したり、識別標識としての表示をすることになれば、商標としての使用に該当してしまいます。
商標登録は、こうした識別標識として使用される商標を、独占的に使用するために登録するものです。商標登録がされれば、第三者は「商標として使用」することが許諾を得られない限り原則としてできなくなります。先に登録することが重要です。
では、開設した店舗名、ウェブサイト名などが、先に第三者によって商標登録されていたらどうなるのでしょうか?

小売業の商標の継続的使用権と商品商標
平成19年4月1日から受付が開始された、小売等役務商標に関しては、それ以前から使用していた店舗名については、継続的使用権が認められています。
ただし、平成19年4月1日以前から、小売・卸売業でも、オリジナル商品を販売したり、オリジナル商品ではなくても商品のタグや包装など、商品と密接に関連して商標を使用するために、商品区分について商標登録をしていることは一般的に行われています。
したがって、商品と密接に関連して商標を使用する場合には、継続的使用権があるからと安心してばかりもいられません。

もう決定した店名なのに使えないなんて?
オリジナル商品を販売したり、オリジナル商品ではなくても商品のタグや包装など、商品と密接に関連して商標を使用する場合、あるいは平成19年4月1日以降に小売業・卸売業について商標の使用を開始した場合には、下記の注意が必要です。
店名と同一または類似の商標が、第三者によって先に商標登録されていたら、店舗名、ウェブサイト名を「商標として」使用することができません。しかも、これらは通常、識別標識すなわち商標として使用されているものです。
商標権を侵害すると、商標使用の差止請求や、損害賠償請求がされることが認められています。
つまり、こうなってしまうと、店舗名やウェブサイト名などを使用、表示することができなくなってしまうのです。
それだけではありません。既に開設してしまった店舗名の変更は、看板の付け替え、広告やチラシ、袋、レシート、伝票などの印刷物の廃棄と刷り直し、宣伝広告の中止、ウェブサイト名の変更などをしなければなりません。
このようなことが店舗開設後にわかっても、どうすることもできません。泣く泣く、別のブランド名を別個に考えなくてはならず、ブランド戦略上も大きな損失です。

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小売業の商標登録制度

平成19年4月1日より、小売等役務商標の商標登録出願の受付がはじまります。
法律の改正により、商品の販売に付随したサービスについて使用する、小売業等の商標を役務(サービス)商標として登録可能になりました。
小売業者及び卸売業者は、店舗設計や品揃え、商品展示、接客サービス、カタログを通じた商品の選択の工夫等といった、顧客に対するサービス活動を行っていることが知られています。
しかし、これらのサービス活動は商品を販売するための付随的なサービスであるため、従来は、商標登録の対象とする指定役務には該当しないとされてきました。
このため、小売業者等は、自己が使用する商標について商標登録を受けるためには、自らが販売する商品の商標権を取得して、商品の商標として保護を受けることができるにとどまっていました。
しかし、小売店等により提供されるサービスが第35類の役務として含まれることが明記されたため、売業者・卸売業者・ネットショップ・商社・通信販売事業者等により使用される商標が、商標登録の対象として新たに保護されることになります。

小売業等の商標登録となるサービスの対象
改正された商標法では「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と規定しています。
この改正の結果、商品の品揃え、陳列、豊富な商品知識を有する店員による接客のようなサービス活動について、それらの使用行為も小売等役務の商標として保護することが可能となりました。
また、通信販売(テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどの媒体を利用するもの)も、商品の販売を行い、その業務において商品選択を容易にし、商品の説明など、顧客に対する便益の提供を行っているため、小売等役務の商標として保護を受けることができます。

・商品の品揃え
・商品の陳列(店舗内における売り場配置の工夫等により顧客の商品選択の便宜を図る場合など)
・接客サービス(商品購入の際の商品の説明・助言など)
・ショッピングカート・買い物かごの提供
・商品の試用(試着室の提供、電気製品の試用の場の提供など)
・商品の包装・紙袋・レジ袋の提供
・顧客の商品選択の便宜のために、販売する商品のレイアウトを工夫した通信販売カタログの提供
・顧客の商品選択の便宜のために、販売する商品のレイアウトやデザインを工夫した、インターネット上のウェブサイトの提供
顧客がインターネットに接続して、端末画面上で視認できるようなサイトを作成して、インターネットサイトを通じた通信販売で商品の選択の便宜を図ること

※ただし、インターネット上の仮想商店街について、商品の小売又は卸売は行わず、広告・商品情報の提供・売買契約の仲介を行っている場合には、これまでの第35類の指定役務で保護されますし、仮想商店街のシステム(プログラムやサーバー)の提供を行っている場合には第42類の指定役務となります。
※個別の商品の出所を示すような表示態様で商標を使用する場合、たとえば小売業者等の商標であっても、オリジナルブランド商品や、大手小売業者プライベートブランドなどのように、商品と密接な関連性を認識させ、商品の出所を表示する商標は、従来通り、その指定商品について商標登録をする必要があります。

小売等役務に係る商標の出願手続
小売等役務を指定して商標登録出願を行います。
第35類の区分を指定し、取扱商品が明らかになるように、第35類「○○○の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」のように指定します。
不使用商標対策として、使用意思のない商標の登録を認めないために、取り扱い商品の範囲が広すぎる等の疑義がある場合には、登録が認められないことがあります。

小売等役務に係る商標についても、通常の商標と同様に審査が行われ、小売等役務の取扱商品の普通名称や品質等の表示にすぎない商標は、登録が認められません。

審査の結果、登録が認められ、小売等役務の商標権が設定されると、通常の登録商標と同様の効力が生じます。
存続期間は10年間で、更新登録ができることも同じです。

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小売業の商標登録の審査

商標の使用意思の審査
小売等役務の商標登録出願では、出願人が使用の意思のない取り扱い商品に付いての小売等役務を多数指定することも可能ではありますが、取引の実情や出願実態等を踏まえ、商標の使用意思があることに合理的な疑義がある場合には、拒絶理由通知(第3条第1項柱書)によって、商標の使用又は商標の使用の意思を確認するため、その証拠の提出が必要になります。
たとえば、
・総合小売等役務(衣料品、飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)に該当する役務を、個人が指定して商標登録出願をした場合。
・総合小売等役務に該当する役務を法人が指定してきた場合であって、「自己の業務に係る商品又は役務について使用」をするものであるか否かについて職権で調査を行っても、出願人が総合小売等役務を行っているとは認められない場合。
・類似の関係にない複数の小売等役務を指定してきた場合。
・各商品及び役務の区分における、商品又は役務の指定が相当広範な範囲に及ぶため、指定商品又は指定役務についての商標の使用又は使用意思に疑義がある場合。

第3条第1項柱書の拒絶理由の通知に対する対応
商標の使用又は使用意思の確認は、指定商品又は指定役務に係る業務を出願人が行っているか、または行う予定があることを立証する必要があります。

総合小売等役務の場合
(ⅰ) 小売業又は卸売業を行っていること。
(ⅱ) その小売等役務の取扱商品の品目が、衣料品、飲食料品及び生活用品の各範疇にわたる商品を一括して1事業所で扱っていること。
(ⅲ) 百貨店や総合スーパー等の業態であること(衣料品、飲食料品及び生活用品の各範疇のいずれもが総売上高の10%~70%程度の範囲内であること。

それ以外の小売等役務の場合
(ⅰ) 小売業又は卸売業を行っていること。
(ⅱ) その小売業又は卸売業が小売等役務に係る取扱商品を扱っていること。

商標同士の先後願の審査
先願の登録商標がある場合の審査は次のように行われます。

(1)小売等役務の商標同士
出願された小売等役務の商標は、小売等役務の商標と相互に先後願の審査を行います。
ただし、特例期間である平成19年4月1日から6月30日までの間に出願された小売等役務の商標については、同日に出願されたものとみなす特例があります。

(2)小売等役務の商標と商品の商標
出願された小売等役務の商標は、商品の商標と相互に先後願の審査を行います。
小売等役務と類似する商品の商標との間で先後願の審査を行います。
ただし、デパートやスーパーなどあらゆる商品を取り扱う、いわゆる総合小売については、商品の商標との相互の先後願の審査を行いません。

小売等役務の補正について
手続の補正により、商標の使用又は使用意思に疑義がある指定役務を削除した結果、拒絶理由を解消することができますが、出願当初の要旨の変更となる補正は認められません。
・総合小売等役務(衣料品、飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供)を、その他の小売等役務(特定小売等役務)に変更する補正は、要旨の変更です。
・逆に、特定小売等役務を総合小売等役務に変更する補正も、要旨の変更です。
・特定小売等役務について、その取扱商品の範囲を減縮した特定小売等役務に補正するのは要旨の変更ではありませんが、その取扱商品の範囲を変更・拡大した特定小売等役務に補正するのは、要旨の変更です。

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